中世より数百年にもわたって、本願寺の法要には御供物がお供えされてきました。
糯米、粳米、砂糖をふんだんに使用してつくられる御供物には、
本願寺の興隆を周知するとても大きな役割があったことでしょう。
砂糖が本当に貴重品であった時代が長らく続いた歴史の中で
法要後に「御供物ほどき」をして、砂糖の欠片を一つでも口にすることを
多くの人々が楽しみにされていたことでしょう。
現在では、お米も砂糖も日常品となり、衛生面の観点からも、
ご法要中ずっとお供えされていた「御供物」を楽しみに口にする機会は
少なくなりつつありますが、本願寺の「御供物」は、唯一無二の装飾として
現在もなお伝承されています。